前回の内容に続いて、間違い直しについての第②弾をお送りします。
効率的で意味のある間違い直し
生徒の間違い直しの跡を見ていると、ただ解説を写したもの、様々な色を使ってきれいにまとめたもの、問題の横に色ペンで軽く解きなおしたものなど、正直言って、あまり意味のない間違い直しをしているなと感じることがよくあります。ポイントが明確になっていないようなメモは後で見返しても何がポイントなのかわからず、せっかくそのときに復習してもそこで得た事項を試験で活かすことはできません。また、ここまでに私は何度も、丁寧に間違い直しをすることが大事だと述べてきましたが、決して、きれいにまとめなおすことや間違い直しに時間を多く費やすことをおすすめしているわけではありません!繰り返すように、みなさんは“限られた時間の中で間違い直しをし、その問題を二度と間違わないようにしなければならない”ので、要領よく行う必要があります。
ということで、以下にそのやり方を紹介します。
各教科別に間違い直しノートを作ることをおすすめします。間違い直し専用のノートを作るのが面倒だという人は、演習&間違い直しを通じて得たポイントだけを書き込むノートは用意しましょう。
※決してノートを作って満足することがないよう注意しましょう!!!
Ⅰ 解説を読むか解説授業を聞いて、答えの導出方法を理解する!
ただ、解説を読むのではなく、どう解けば正解にたどり着けるのか、なぜその解き方になるのか、ポイントはどこなのか、これまでに似たような問題を解いたことがあるならば、どの問題と似ているのかこれらを意識してしっかり理解しましょう。解説を読んだり解説授業を聞いたりしてもまだ理解ができない場合は周りの友達や先生たちに積極的に質問しましょう。ここで疑問をそのままにしておくと、次同じ問題を解いても正解はできません。(“わかったつもり”が一番怖い状態です!)この作業のなかで、教科書や参考書などを見返すことも重要です。そうすることでより要点を定着させることができるでしょう。
Ⅱ 間違えた原因を分析する!
多くの場合、解けなかった原因として、その考え方の理解不足、知識不足があるでしょう。そういうときは、その考え方や知識をこの機会にしっかり身に付ければよいです。あと考えられる原因としては、ケアレスミスです。単にケアレスミスといってもミスの内容は様々です。筆算で最後の足し算を間違えた・式を書くときに数値を間違えて記入した・問題文をしっかり読んでいなかった・計算途中,移項するとき符号変換が正確にできていなかったなどなどミスも細かく分析しましょう。意外と人によってミスするところは決まっていて、そこを改善することで、ミスが減ったという声をよく聞きます。自分のミス分析も非常に大切なことです。自分はどんなところでミスしやすいのか、ミスしたことをメモし、それを試験前に見返すことで、試験中にミスしないよう意識することができるでしょう。
Ⅲ 同じ間違いをしないための方法を考え、それを言語化し、ノートに書く!
ここに間違い直しの最大の意義があります。その問題を通して得られた知識や考え方、身に付けるべきポイントをきちんと言語化し、それをノートに記載していきましょう。このポイントが理解できていれば問題を解くことができる!と思われる事項は全てメモに残しておきましょう。こうすることで自分が間違えたことが一目瞭然で、見返した時にポイントが理解しやすくなります。これを積み重ねていくとそれまでに勉強してきた努力の結晶として目に見えるため、自信もついてくるはずです。ケアレスミスに関しては前述したミスの自己分析に加え、どうすれば改善するのか、どうすればミスを防ぐことができるのか、自分なりの方法を考え、それを言葉にしてメモに残しましょう。
この間違い直しを通して完成したノートは、自分で作った、自分の間違った問題だけが載っている、自分だけの参考書になっていくはずです。自分自身が後々振り返る時に内容を見返すことができればよいので、きれいにまとめる必要は全くありません。
第③弾へ続く。