今、MARCHが難しい。教科数にもよるので単純には比較できないが、同じメイダイでも偏差値として明治大>名古屋大になっている学部なんかもあったりして、一般入試で私立大に合格する、ということが20世紀の頃からは想像もつかないくらい難しくなっている。

MARCHとは、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大をグループ化したニックネーム。明青立法中と呼んでもOK。もちろん、偏差値的に近い大学を集めたグループであり、早慶上理>MARCH>日東駒専>大東亜帝国>関東上流江戸桜という偏差値的序列はポピュラーで、耳にされたこともあるだろう。

成蹊大、成城大や学習院大をどう扱うかは議論を呼ぶところで、学習院が加わったG-MARCH(ジーマーチ)が市民権を得たり、Gにはやっぱり独立してもらってICUと上智を引き連れたGIジョーが現れたり、ともかく私大が栄えている東京では大学をグループ化して考察することが常に行われているのである。

九州の高校生にとって早慶上理やMARCHが登場するのは、だいたいにおいて「併願戦略」を構築する場面である。まずは本命第一志望校に九大なり熊大なりの国公立大を掲げ、いわゆる「滑り止め」として複数の私大を受験するやり方だ。もちろん東京の私立ばかりでなく、関関同立や福大、西南学院大もここ熊本の受験生には人気である。

冒頭述べたような私立大の急激な難化が、この併願戦略にも多大な影響を及ぼしている。滑り止めが滑り止めの役割を果たせなくなった、ということだ。その結果、これまでの常識であった「国公立大学に合格したいなら前期試験で決める!」という原則も揺らぐこととなっている。そのもう一つの大きな要因が、国公立大における総合型・学校推薦型選抜の増加だ。両者とも共通テストを待たずして合格が決まることが多いので、「年内入試」と総称されている。

年内入試は近年ますますその存在感を増している。国公立大学の入学定員は毎年13万人ほどなのだが、なんとそのうち3万人弱が年内入試で合格を決めているという(朝日新聞EduA2023.6.18)。前期国公立大学を本命としつつも滑り止めで私大を選択する、というこれまでの定石は、完全に終わりを迎えてしまったのである。

最後に、九州の高校がどれくらいMARCHに通しているかのランキングを見ておこう(人数のソースは朝日)。想像通りというか想像以上というか、やはり福岡県が強かった。1位の福大大濠(オーホリとみんな呼ぶ)は高校自体が公表しているようにMARCH指定校推薦の枠が14人分もあることと、さらには1学年600人以上のマンモス校であることが有利に働いたのだろう。大濠や11位の東福岡はスポーツ関係の影響もあろう。佐賀・長崎・大分が顔を出さないのは意外であった。

MARCHそして私立大全般の難化傾向、そして年内入試の増加がいつまで続くのか、興味深いところである。

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