学部選びというのは本当に難しい。特に理系の場合は、高校生の段階でかなり細かい分野まで専門を決めなければならない。偏差値だけでなく業界の将来性など、相当な情報収集をせねばならないだろう。一方、文系の場合はどの学部を選ぶにせよ「文系就職」すなわちエントリーシートを多数の会社に送って面接にこぎつける形式のものになるわけで、高校生時点でそこまで専門性を考える必要は無い。だからこその分かりにくさというものもある。筆者がよく聞かれるのが、法学部と経済学部の違いについてである。
まずは一般論についてChatGPTに述べてもらおう。
法学部は、法律や社会のルールについて学ぶ学問の分野です。法律の基礎を学び、法的な思考力や論理的な解釈力を養います。法学部では、憲法や刑法、民法などの法律科目を学ぶだけでなく、社会の法的な問題や倫理的な観点からの議論も行います。法学部の学生は、社会正義や公平性の追求に興味を持ち、法律家や裁判官、公務員、企業の法務部門などで活躍することが多いです。
一方、経済学部は、経済の仕組みや経済活動に関する知識を習得する学問の分野です。経済学部では、経済学の基礎やマクロ・ミクロ経済学、経済政策などの専門的な科目を学びます。経済学部の学生は、社会や企業の経済活動について分析し、経済の発展や効率的な資源配分に貢献することを目指します。彼らは経済評論家や金融機関、企業の経営者やコンサルタントなど、幅広い職業に進むことができます。
法学部と経済学部、どちらも興味深く魅力的な分野ですが、進路選択にあたっては自分自身の興味や志向性を考えることが重要です。もし社会正義や法の守り手になりたいのであれば、法学部が適しているかもしれません。一方で、経済の仕組みやビジネスに興味を持ち、経済活動に関わりたいのであれば、経済学部が合っているでしょう。
また、法学部と経済学部は異なる学問領域ですが、両方の分野を学ぶことも可能です。一部の大学では法学経済学部や法律経済学科といったプログラムも存在し、両方の学問を幅広く学ぶことができます。
最後に、どちらの学部を選ぶにせよ、大学進学後は情熱と努力が求められます。授業や研究、インターンシップや留学などの機会を活かし、自分自身を成長させることが大切です。将来のキャリアを考えながら、自分の興味と目標に合った学部を選び、一歩踏み出してみてください。皆さんの未来の選択が輝かしいものとなることを心から願っています。頑張ってください!
はい。両学部の一般論につきわかりやすい説明である。
「潰しが効く」、という言葉がある。昔からこれは法学部の代名詞であった。法学部に入っておけば、とりあえず色んな進路に対応できる、困ることはない、という意味である。財務官僚や銀行員など本来ならば経済学部卒が果たすべき領域でも、法学部の方がむしろ大手を振ってきた。偏差値でももちろん、法学部>経済学部という時代が長く続いた。
しかし、日本の国力の衰えとシンクロしてだろうか。両学部はここのところ互角。むしろ経済学部の方が偏差値も倍率も高くなっていることさえ見受けられる。旧帝大に関して河合塾の偏差値を並べると下記の通り。互角と言えよう。余談だが、こうして見ると神戸大の格の高さに改めて驚く。旧帝大プラス3格というよりは、上位旧帝大として扱った方が適切といえる。
上述のように、両学部の垣根は低い。法学部に行ったとしてもマクロ経済学やミクロ経済学は受講できるし、経済学部に行っても法学概論的なことは学べる。法学部から公認会計士を目指す人も珍しくはないし、経済学部から司法試験に通る人も昔から多かった。ただここのところの司法制度改革により、ロースクールという選択を考えるなら、法学部であることが少しだけ有利かなとも思う(他学部からの道も開かれてはいる)。
意外と大きな違いは、数学についてだろうか。法学部は、入学と同時に数学の全てを忘れてよい。三角関数もベクトルも、もう2度と使わない。一方経済学部は毎日のように数学を使う。数学があまり得意でないのなら、経済学部を選ぶべきではないだろう。
法学部には、政治学という魅力的なオプションもある。東大法学部では「法学だけでなく、それと政治学とが対をなすものとして研究され、教育されている。それは、近代社会においては、法と政治は、ともに不可欠であるだけでなく、政治が法を定め、実現し、そして、法が政治を形づくり、導くという意味で、両者は、相互に支えあう関係にあって、分かちがたく結びついているからである(東大ウェブサイトより)」。政治学系統に少しでも興味があるならば、法学部を選んだ方がよいだろう。
近年は法学部や経済学部といった古典的な学問分野ではなく、総合系や人間科学系の学部も人気である。学部研究は極めて重要だ。しっかり情報収集していきたいところである。