国公立大学を目指すうえでの1次試験となる大学入学共通テストはマークシート式だが、2次試験はほぼすべての国公立大で記述式での答案作成が必要となる。したがって受験生というものは、いったい何を書いたら点数がもらえるのか、その研究と練習をしなければならない。そう、俗にいう「答案練習」(法律系資格試験なんかでは答練、と略す)である。
記述式に臨む大前提として、書きたいことを書いても加点事由にはならないということをまず肝に銘じておく必要があろう。作問者・出題者が書いてほしいと思っているであろうことを想定して書くのだ。たとえるなら、「足がかゆい」と言っている人に対して、親切心から「背中」をかいてあげても何の感謝されないのと一緒である。
従って、記述式で良い得点を取るには採点基準つまり加点事由を知る必要がある。旧帝大レベルの記述式問題になると、採点基準はそう簡単に導出できるものではない。はっきり言って、そのへんの家庭教師や個人塾で対応できるレベルでは到底ない。赤本による過去問演習の限界もそこにある。
そういう点では、東進のシステムは非常に効率的だし、正確性も高いといっていい。とくに東大対策においては毎年毎年、かなりの予算を投じて、正解は何なのかを徹底的に研究してくれている。その結果を参照できるわけだから、東進システムを使うということは、ここ熊本において現時点で実現可能な最高レベルの添削環境を提供してくれているに等しい、といっても過言ではない。
ただし、そうはいっても予備校採点には限界というか特性がある。機械的に、キーワードがあるかないかで採点する部分がどうしても大きくはなっているのだ。
本番の採点すなわち旧帝大の大学教授による採点は、根本的に違う。もっと深いところまで見てくれる。答案全体の流れ、考え方にセンスがあるのか、独創的な論の運びをしているのか、等をしっかり見てくれる。
ゆえに、取りうる最良の対策としては、東進の答練をメイン軸としつつも、河合・駿台といった他社模試、さらにはたまにはZ会なんかで加点事由がなんなのかを自分自身で探ることになろう。
結局は、文章って書かないとうまくならないものだ。いろいろ考えることも大切だが、とにかく書く。毎日毎日書く、ということを徹底してもらいたい。