Society 5.0への移行に伴うIoTへの注目、あらゆる分野におけるDX化推進、デジタル人材不足、TSMCインパクト…。

日々刻々と目まぐるしい変化を遂げる社会情勢に対し、「教育」という観点から新たなソリューションを生み出すべく、来年度から熊本大学に新たな学部が創設される。その名も「情報融合学環」。 今回はその「情報融合学環」について、カリキュラムの特徴、入試の特徴の2点に分けて記していく。

 

カリキュラムの特徴

「情報融合学環」には、DS(データサイエンス)総合コース、DS半導体コースを設け、文理融合、実践的教育、学内連携、地域連携、大学間連携により、DX、数理・データサイエンス人材を育成し、卒業後は、データサイエンティストとして企業や行政等、幅広い分野で活躍することを想定しています。また、大学院との接続として、本学の大学院自然科学教育部だけでなく、大学院社会文化科学教育部並びに生命科学系の大学院への進学も可能とする教育プログラムを展開します。

(熊本大学HP「学長メッセージ」より引用)

本学環は文理融合型の学部として、高校での文理選択にかかわらず、すべての高校生に対して門戸を開いている数少ない学部の一つである。高1で「なんとなく」文系を選択してしまい、情報系の学部を諦めざるを得なかった学生にとっては、かなり有力な選択肢の一つとなるのではないだろうか。

 

(熊本大学情報融合学環HPより引用)

そもそもデータサイエンスとは、世にあふれる情報(データ)を分析し、課題解決に必要な要素をあぶりだしていく学問分野であり、バリバリの理系分野である。ただ本学環では、実社会で「使える」グローバル人材の育成を目的としているため、語学や社会科学などの文系分野にもかなり力を入れている。1,2年次の教養関係はもちろんのこと、特筆すべきは3,4年次のアントレプレナーシップ教育だ(以下アントレ教育)。アントレプレナーシップとは直訳すると「起業家精神」であり、新たな価値創造に対する意欲を高めることを指す。本学環におけるアントレ教育では、他大学及び地域企業との連携を軸にカリキュラムが進行するため、よりリアルかつ実用的な学びが得られるに違いない。これは院への進学や就職の面からもかなりの強みになるだろう。

  

入試の特徴

前述の通り、本学環は文理融合型の学部である。故に文系型と理系型で受験方法、受験科目が異なる。詳しくは、情報融合学環令和6年度入学者選抜要項を参照されたい。

特徴としては以下2点があげられる。

   

・二次試験は、文理ともに英語・数学が必須(配点は異なる)

・学校型推薦では、熊本大学初の女子枠が創設された

   

特に2点目に関しては様々な意見が想定されるが、いわゆる「リケジョ」の育成を計りたい熊本大学の意思が感じ取れる。推薦に関してはもちろん一般枠も存在するため、男子に推薦のチャンスがないわけではないが、相対的にみると、やはり女子に有利な制度設計になっている。

 

こんな人におススメ!

カリキュラムや目指す学生像からも読み取れるように、本学環は、実用的な知識を育むことに重きを置いている。大学で完結する学びではなく、しっかり将来を見据えた上で学びと向き合いたい、そのような高校生にはうってつけの学部(学環)ではないだろうか。

その他、詳細に関しては、熊本大学情報融合学環ホームページにて随時情報が更新されているため、少しでも興味のある方は、そちらをご確認いただきたい。

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