インターネットがこれだけ発達した時代とはいえ、信頼できる情報源といえばやっぱり新聞である。とはいえ、現代社会の様々で複雑な事情により、大人でさえ新聞離れが指摘されるのが現状。部活に勉強に忙しい高校生は、新聞をどう活用していくのが理想なのだろうか。

ChatGPTは、高校生が新聞を読むことには以下5つの利点があると指摘する。

1)政治、経済、環境、教育など現代のニュースを理解できる。2)新聞記事は複雑な文章構造や専門的な表現を含んでいるので、読解力が向上する。3)新聞にはさまざまな意見や論評が掲載されており、多様な視点を得ることができる。4)新聞は教科書や学校のカリキュラムだけでなく、科学、文化、芸術、スポーツなど、自分の関心領域に合ったトピックや学習の補完にも役立つ。5)情報の信頼性やバイアスの有無を考える上で良い教材であり、メディアリテラシーが向上する。

まず、日本の新聞には大きく分けて3種類あることを認識しよう。全国紙、ブロック紙、地方紙という区分だ。

全国紙は一般に5大新聞が挙げられる。読売、朝日、毎日、日経、産経である。その名の通り、日本全国に紙面を展開している大新聞である。かつては公称1,000万部を誇っていた世界一の読売新聞を筆頭に、日本の世論をリードしてきた。ちなみに、誰もが知ってる米国ニューヨークタイムズの発行部数は200万部弱にすぎない。いかに日本人が新聞好きなのかおわかりいただけるだろう。

ブロック紙は北海道、中日、西日本の3つだ。全国展開ではないものの、複数の県にまたがる特別な地方紙、という意味である。中日新聞は愛知、岐阜など東海地方に、西日本新聞は福岡、佐賀、長崎など九州地方全体に展開。北海道新聞は北海道単独だが、北海道自体の規模が大きいので、ブロック紙扱いとなっているのだ。

そして各都道府県におよそ1つずつあるのが地方紙である。熊本県ならば熊本日日新聞、長野県なら信濃毎日新聞、長崎県なら長崎新聞、といった具合だ。

もちろんそれぞれに長所と短所がある。全国紙が強い分野はわが国全体の政治経済についてであり、社説や論考、コラムも含めて豊富な取材力に裏打ちされたハイレベルな文章を読むことができる。一方、地方紙が強いのは地元情報であり、たとえば天草の事件だったり人吉の特産品情報だったり、さらには熊本市政や県政の展望だったりといった情報は熊本日日新聞の独壇場である。

自分の志望校に合わせた新聞を選ぶ必要があろう。できれば、5)のように複数の新聞やメディアの記事を比較し、情報の真偽や偏りを見極める力をも養いたいところだ。信頼できる情報源の選定やフェイクニュースの見分け方を学ぶことは、現代社会で必要なスキルとなる。

意外かもしれないが、新聞は不偏不党・公正中立である必要はない。民間企業が行う、表現の自由に基づく発行ビジネスに過ぎないので、採算の合う方針で採算の合う記事を書けばいいだけである。この点、有限な電波を総務省が管理しており、放送法で規制されているテレビとは違うのだ。テレビを用いた報道・ニュースは、公正中立でないと大問題になってしまう。

思想面において、一般的には保守的=右派とされるのが読売、産経であり、革新的=左派とされるのが朝日、毎日である。日経はビジネスパーソン向けなので、少し性格が違う。どの思想が受験に有利かとかそういうのは無いので、そこを心配する必要は無い。客観的で適切な議論を組み立てる力を磨けばよいだけだ。

筆者も高校生の頃は、なかなか時間が作れなかったが、毎日少しずつでも新聞を読むようにはしていた。日々のニュースの中に、受験問題への対策を考える上でのヒントも隠されているからである。今どきの高校生にも、ぜひとも積極的に新聞を活用してほしいものである。

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