「旧帝大」合格者には特別な資格が付与されます。「学士会」への入会資格です。学士会とは、「国立七大学」(学士会が好む呼称)すなわち北大・東北大・東大・名大・京大・阪大・九大の卒業生・学生・教員約5万人からなる総合同窓団体です。
学士会によると、「発端は、明治19(1886)年に開かれた東大初代総理・加藤弘之先生の謝恩会。130年以上の歴史を持つ学士会は、現在、七大戦特別協賛をはじめとした七大学への支援や、七大学同窓団体との連携、会員向けに様々なサービスを展開しています」とのこと。これだけではなにやらよくわかりませんが、具体的には、「学士会会報」という小冊子が毎月一回郵送されてきたり、東京・神田にある「学士会館」の利用料金が安くなったりします。
学士会会報は、東大やら京大の教授が、自身の専門分野に関するちょっとしたエッセイを書いてくれるもので、文系・理系双方楽しめる内容となっています。他では非公開なのはもちろん、この冊子だけに特別に書き下ろしてあるものですから、特別感はありますね。内容的には年配の方向きとは思います。高校生にはちょっとわからないかも。読みたければお貸しします。
学士会館は、明治期のゴシック風というかロマネスク風というかそういう趣を感じさせる建物で、食事や宿泊のできる施設です。よくドラマの撮影などでも使われる独特のフォーマル感があるですが、楽しめる施設というわけでは決してなく、おとなしめの地味感が非常に高いので、友人同士でちょっと飲みに行こうか、とはならないですね。企業で研修をしたりした場合の打ち上げなどに使う感じです。あとは結婚式の2次会とか。
ただ、貸会議室としてはけっこう優秀(きれいで安く、長時間使えて会員割引有)なほうなので、その用途ではおおいに役立ちます。
また、学士会主催で壮年向け、若手向け、さまざまな講演会や茶話会、朝食会などを開催していますので、幅広い旧帝大人脈づくりに活用できるコミュニケーション能力があれば、おおいに使えるのでしょうね。
というわけで、学士会の特典自体はそんなに魅力がないというのが正直なところ。年会費4000円をお得と感じるのかどうか。そんな即物的な勘定よりも、学士会に所属しているんだという精神的な満足感のほうを味わうべきものなのでしょうね。