こんにちは。熊本水前寺校の大倉です。
高校生の皆さん、「現代文」の勉強、普段していますか?
恐らく、毎日やっているという方は少ないでしょう。数学や英語、同じ国語の「古典」と比べて、覚えるものが漢字や慣用句ぐらいと、配点や読解に大きくは関わってこないものなのですきま時間で勉強するには英単語などの方が優先度は高くなりがちで、かといって問題集を解くのは時間がかかって億劫、というように中々手を付けづらい分野かと思います。
そんな現代文の勉強法として、よく「読書」を挙げる人がいます。覚えるものがあまりなく、文意を読み解くことが重要となる科目だからこそ、「読む」練習をしよう、というのは着眼点としては間違っていないと思います。しかし、ただ本を読むだけでは、実はあまり練習にはならないのです。
試験などで問題を解く際の読み方と普段の読書での読み方、ここには多くの違いがあります。
例えば「速さ」。試験には制限時間がありますので、その意識から読むスピードは速くなっています。しかし、普段の読書には制限時間なんてものはありませんから、意識しない限りスピードは遅くなりがちです。だからと言って試験時の速度と同じ速さで何十ページも読み続けるのは、集中力の観点からしても難しいでしょうね。
「読み進め方」にも違いがあるでしょう。問題を解く際には、傍線部前後を特に集中して繰り返し読んだりと、強弱をつけて読むことが多いです。むしろ、正直に全文きっちり読んで問題を解く方が、かえって要点を絞りきれず、内容把握があいまいになってしまう場合もあります。対して、普段読む本には傍線なんて引いてありませんから(古本屋の本にはたまにありますが…)「こことここが重要だ!」という強弱のつけ方はあまりしないかと思います。推理小説のネタバラシなどは多少集中しますが、あくまで文章に意識が引っ張られているだけで、自ら意識して強弱をつけているかと言えば微妙なところです。
これらのように、問題を解く際の読み方と普段の読書での読み方とでは、様々な違いがあります。それなら、普段から素早く、強弱をつけて、文脈から色々探りながら読めば、読書が力になるのか!とお考えになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、読書の中でわざわざハードルをいくつも設定し、あれやこれやと難儀しながら練習するよりは、素直に問題集を買って練習するほうがとっつきやすいかと思います。
読書が何の役にも立たないかと言われれば、決してそうではありません。本を読むことで、様々な教養を学んだり、自身の知見を広げたりすることができます。自分の人生を豊かにするという点で、勉強に負けず劣らず貴重な時間、経験です。しかし受験勉強に昇華するにはちょっと難しいかもしれませんね…
現代文の具体的な学習法についても、折を見つけて書きたく思います。