私立大学の一般入試や国公立大学の前期試験に向けて追い込みをかけている受験生の皆さんへ、今回は梅ヶ谷先生からのアドバイスをお届けします!

●直前期は焦る…

皆さんは夏休みの宿題は、先にやるタイプでしたか?それとも、後でまとめて取り組むタイプでしたか?私は後者でした(笑)。8月31日は毎年睡眠のない1日を送っていましたねぇ。私以外にもこのような経験をしたことのある人、いるのではないでしょうか。

さて、今は受験における8月31日です。しかも夏休みの課題とは違い、受験勉強には終わりがありません。やりたいこと山積み。やらなければならないことも山積み。周りには合格者がボチボチ出始めている。時間もない。焦る。焦る。焦る……。

そんな時に重要になってくるのは優先順位です。バイバインで時間を増やしたり、タイムマシーンで過去に戻ることはできません。限りある時間の中で、勉強の費用対効果を上げるためには、やはり、優先順位をつけ、計画的に勉強するほかありません。では直前期にはどんな勉強を優先すればよいのか。今回は「今」、優先すべき勉強について少しお話ししたいと思います。

●「解ける」ようになるには?

具体的な話に入る前に、まず、少し概念的な話をします。そもそも問題を「解ける」ようになるためには何が必要なのでしょうか。重要な要素が2つあります。1つがです。でもこれはどうすることもできない。何かできたとしても、細木数子先生の本を読むくらいでしょう。もう一つが、学びの体系化。これがとても重要です。では学びの体系化とは何か。私たちが運以外で問題を「解ける」ようになるためには、インプット、体系化、アウトプットの3つの軸からなるサイクルを回す必要があります。詳しくはイメージ図をご参照ください。

まずはインプット。これはイメージしやすいのではないでしょうか。シンプルに知識や概念を頭の中に放り込んでいく作業です。東進のツールでいくと、受講や英単語1800などに該当します。

次にアウトプット。これも簡単ですね。自分の持てる知識や概念を、与えられた問題に応じて変形させながら外に出していく作業です。東進のツールでいくと、過去問演習系の講座や計算演習などでしょうか。

そして最も重要なのが体系化。体系化とは、「点」の状態の知識を「面」に、「面」の状態の知識を「立体」にしていく作業です。もっと単純化して表現すると、知識同士を結び付けて、より強固な知識の集合体、概念へと作り変えていく作業とも言えます。体系化は主にインプット・アウトプットの際、また、間違い直しの際に並行して行われています。 この体系化こそ、受験において、いや、学問において最も重要であると私は考えています。先述した通り、受験は運の要素もあるため、学びの体系化が「解ける」の必要条件にはなり得ませんが、十分条件ではあります。インプット、アウトプット、間違い直しという一見地味な作業を繰り返すこと、即ち学びの体系化を積極的に発生させることこそが、「解ける」ようになるために重要になってくるのです。

  

次回【後編】へ続く。。。

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